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揚心館 CONTENTS

執筆者の写真YOSHIN-KAN

武道家が教える「阿吽の呼吸」の極意

更新日:2020年4月4日

「阿吽の呼吸(あうんのこきゅう)」 は格闘技と高いコミュニケーション能力の極意

「阿吽の呼吸(あうんのこきゅう)」の由来

 神社の狛犬・金剛力士像・シーサーなど、左右に像が置かれています。凹凸のように、口をあけていたほうは「阿形(あぎょう)」、口を閉じたほうは「吽形(うんぎょう)」と言います。凹凸があうように、一対のものが息を合わせている様子から「何かを一緒に行うときにぴったりと息が合うこと」を指す言葉になりました。 つまり、「阿吽の呼吸」とは「言わなくても分かり合えること」「言葉にしなくても通じ合うこと」を指します。

「阿吽の呼吸(あうんのこきゅう)」

 同じ空間で同じことを取り組んだもの同士は、思想、行動がいっしょになります。飲食をともにする、練習をいっしょにするなど、必要なことです。揚心館では、稽古以外に、合宿、交流会など行っている理由の1つです。頭でっかちに、競技だけ強ければよいとか、進学でも教科だけをやっていても、「阿吽の呼吸(あうんのこきゅう)」は身につかないです。

 そして、人間性の幅が広がると、相手に対する呼吸も読めるようになります。それは、仲間に対して、対人に対して呼吸を読めるになると、相手の動きが読めるようになります。それは、格闘に強くなるだけではなく、コミュニケーション能力にも影響を与えます。俗にいう「活人拳(相手を受け入れる拳法空手です)」です。

「阿吽の呼吸(あうんのこきゅう)」の極意

 実は、「阿吽の呼吸(あうんのこきゅう)」はだれでも経験を積んでいます。家族や学校、職場などです。その色が強い組織であればあるほど、しゃべり方、仕草など似てきます。そのチームで何かをすれば、阿吽の呼吸の土台は築いております。

 サラリーマンのお父さんを持つ家は子供もサラリーマンになり、事業をやっているお父さんの持つ家の子は、事業家になりやすいです。阿吽の呼吸の極意は、代々実践されています。言い換えれば、自分自信を成長させたいなら、専門性が高い人、物事ができる人との時間と空間の共有は重要です。格闘技や武道を極めたいのであれば、高段者の先生とともに、食事や稽古などの幅広い時間と空間を共にすることが、物事を極めることができます。ただ、専門性があればあるほど、何かが普通ではないです。継続する力、あきらめない、努力家であるなど、凡人とは違います。チャレンジをする人は、あまりにものギャップから、その領域に入る前に弱い仲間へ流れる人が多いのも事実です。こういうこともあるので、多くの出来る人といわれる人は、相手にしない、村人とは思わないことが多いです。高いレベルの阿吽の呼吸を極めるには、できる人の村社会へ入ることです。そのためには、良いことも悪いことも受け入れる覚悟が必要です。エゴが強い人は、理想家になり、先生の悪口や自分の正当性ばかりを説きます。弱い人間同士の仲間の典型的な行動パターンになりますので、注意したほうが良いです。

 私は、中学・高校時代、空手道場の地域イベントや広告活動など、空手道稽古を含めて活動をしてきました。特に疑問を持たず、没頭しました。その結果、早い時期に師範まで登りつけました。一方、ある中国拳法の指導員は、同じような時期に、中国拳法の指導代行など、なんで自分がやらないといけないと思って、先生と対立したことを聞いたことがあります。では、表面的に良い顔をすればよいわけではないです。サラリーマンに多いですが、素直であること、それをポジティブに変える力は、普段の行いです。ネガティブな人が回りにいると、こういう心境にはなれませんので、注意したほうがい良いです。

 よって、格闘技が強いとか、学力が高いとかではないんです。村人になると、見えないものが見えることが多いです。武道の極意の1つとして考えてみてはいかがでしょうか。

 

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