人生は「心の反応」で成り立つのだから、人間が持つ心の欲求を正しく理解することの重要性を説いています。
ブッダの教え、四聖諦(ししょうたい)として、①生きることには「苦しみ」が伴う②苦しみには「原因」がある③苦しみは「取り除くことができる」④苦しみを取り除く「方法」がある。さらに、苦しみの原因を「7つの欲」「3つの執着」「5つの妨げ」といった、いくつかの要素に分解しています。まずは、原因が分かれば、その部分の悩みを意識から切り離せばよいと言っています。
臨床心理士が行う心理カウンセリングは、その人が置かれている状況を紐解き、問題に向き合うことを行い、そこから時間をかけて人間関係や自分が持つ問題を自分で解決していきます。ブッダの教えは、論理的ですので、「心の反応」「人間が持つ心の欲求」を理解することは「苦しみ」から解放するためのアプローチだと思います。
そして、結論は、悩みを意識から切り離すことで、「苦しみ」から解放される。まさに、タイトル通り、「反応をしない練習」ですね。
ただ、現実的にはどうでしょうか。「反応をしない練習」ばかりしていたら、物事へ向き合わないようになってしまうのではないか?という疑問は残ります。ガンバル人、執着心が強い人、周りが見えなくなる人には、「反応をしない練習」は良いアプローチだと思います。過剰な反応をしている人は、冷静な判断ができないので、クールダウンができ、良い判断ができると思います。昭和のスポーツや武道格闘技は、練習量イコール強さという傾向があり、周りとの比較、勝ち負けへのこだわり、この本で述べている「心の反応」ばかりしていたら、それは良い結果がでないです。自分は自分、論理的かつ計画的で、他人に振り回されない人は総合的に強いです。結果的に、心が強いからこそ、余計なことは考えなくなります。
一方、学校や組織に所属をしていると、いじめ、差別、組織に所属しているからの「悩み」や「苦しみ」を持っている人がいると思います。「ムダに反応しない」「悩みを増やさない」ために、相手を無視する、関わりをもたないというのは現実的ではないです。「心の反応」をしないためには、自分自身が強くなれば良いだけではないかと思いました。空手道やキックボクシングから学ぶ心技体から「頑張る姿勢」「こだわり」、強くなれば、結果主義者になるかもしれません。だからこそ、よけないことに振り回されなくなり、心の強さを持てると思います。
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