座禅から心のコントロールをしましょう!というのが「禅」です。自分自身が安定した心であるほうが良い判断、良い行動ができます。ストレスやプレッシャーがかかると、判断が鈍ってしまいます。その心のコントロールの教育として、「禅」が取り入れられています。空手の格闘技は、相手を突く、蹴るということは、恐怖心への克服、血気を戒める、平常心を維持するなど、禅の思想や心のコントロール方法は違います。これは重要です。
『虚心坦懐(きょしんたんかい)』:心にわだかまりがなく、平静に事に望むこと
『心身脱落(しんじんだつらく)』:あらゆる自我意識を捨ててしまうことだ
「禅」は1つの宗教です。宗教のなかで、唯一親和性が良いのが「禅宗(坐禅をする宗派)」です。 臨済宗(りんざいしゅう)と曹洞宗(そうとうしゅう)黄檗宗(おうばくしゅう)を指します。中村勘太郎が演じる道元・映画『禅 ZEN 』は面白いです。ぜひ、鑑賞してもらい、禅とは何かを考えるきっかけにしてほしいです。
浄土宗『南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)』などの死後の自分が天国にいくのか、地獄にいくのか、普段の行いにおいてて念仏を唱えることかあ「他力本願」と言われます。死後の極楽浄土より、今生きているなかえ悟りを得る考え方が禅宗であり、自分の生き方やあり方を生きている間に修得し、心のなかに仏様を持つことから「自力本願」と言われます。
武道教育や日本人の道徳教育にもつながってきています。迷いがある場合、行き詰まったとき、座禅から邪念の払い、自分をリセットするという習慣を身に着けることが、平常心と良き判断ができる自分であれると思います。
禅宗のお寺設立の歴史
臨済宗は、鎌倉時代に栄西禅師が中国から招来されました。臨済宗は、お祖師の言葉や行状を収録した「公案」を中心にした坐禅で、この公案と取り組みながら坐禅修行をし、悟りをめざします。現在臨済宗には、建仁寺派、南禅寺派、妙心寺派、広島県では仏通寺派など、十四派があります。
曹洞宗は、永平寺の御開山、道元禅師が中国から伝えられ、総持寺御開山、瑩山禅師が広められました。現在、永平寺・総持寺の両大本山をはじめとして、約一万五千ヶ寺、僧侶二万人、一千万檀信徒を有しています。また、曹洞宗には、永平寺・総持寺というふたつの大本山があっても、曹洞宗○○派という具合に分かれてはいません。よく、「一軒の家に、お父さんとお母さんがいらっしゃるように、ふたつの大本山があっても、ひとつの家なのです」という説明がされています。善昌寺もこの曹洞宗のお寺です。
禅宗のお寺の教え
曹洞禅は、「修証一如、只管打坐」といい、悟りと修行は同一のもの、悟りをめざして坐禅をするのではなく、坐禅の姿そのものが悟りの姿であると教えます。
臨済禅は看話禅(公案を考えながら坐る坐禅)、曹洞禅は黙照禅(心を無にして黙々と坐る坐禅)といわれますが、写真などを見ていちばん分かりやすいのは、通路の方を向いて坐禅しているのは臨済宗の坐禅、壁の方を向いて坐っているのは曹洞宗と思っていただいて、まず間違いないでしょう。
黄檗宗とは、浄土とは西方にあるのではなく、自己の中に浄土を見いだし、阿弥陀仏を発見しようという、禅と浄土思想の合致した念仏禅の教えで、普茶料理、煎茶等独自の文化を弘めました。おなじみの、お経にリズムを与える「木魚」は、江戸時代にこの黄檗宗と共に伝えられたといわれています。
臨済宗・曹洞宗・黄檗宗をひとからげにした呼び方で、簡単に「禅宗のお寺」といわれます。過去、揚心館の合宿で「禅宗のお寺」で座禅修行を行いました。
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