仕事の時間の都合をつけて、茨木県水戸にある「弘道館」に行ってきました。藩校「弘道館」から武道について考えさせられました。
江戸時代末期の最大級の藩校といえば、水戸藩にある「弘道館」です。天保時代にできた藩校ですから、水戸黄門の時代よりも後の話です。天保時代と言えば、天保の大飢饉があったときであり、藩校をつくることは反対があったそうです。だからこそ、教育は重要であり、藩をあげて取り組みました。いつの時代でも、問題解決の策は「教育」にあるということですね。
・ 文武両道の総本山と言っても過言ではない
・ 「水戸学」とも言われ、幕末の尊王攘夷など、多くの影響を与えた
尊王攘夷と言うと過激に聞こえるかもしれませんが、時代の最先端の教育が行われていました。弘道館では朝文夕武の故事にならい、午前に学問、午後に武術を学んでいました。
学問:儒学(中国政治・道徳学問),礼儀,歴史,天文,数学,地図,和歌,音楽
武術:剣術,槍術,柔術,兵学,射術,砲術、馬術,薙刀、居合、水練術など
このほかに医学を教える医学館があり、薬草から薬を作ったり、牛を飼って牛乳からバターを作るなど研究が行われました。また、伝染病を防ぐために,藩内の人々に無料で種痘(予防接種)を行っていました。つまり、「弘道館」は、時代を先取りした文武両道の総本山でした。さらに、学問と武術のバランスが大事だということを実践をしていたこと、そして、生涯学習の在り方を説いていました。
詰め込み教育は、学びながら、生かすためではなく、試験に合格するため
現代武道は、競技に勝つことが凄いことであり、競技に勝つため。
なんか違うと思っているのは私だけでしょうか。学びながら、自分の社会でその在り方をしっかりと作り込み、知行一致であるべきですし、武道は、自分を奮い立たせ、恐怖や他人との折衝の土台を作れると思います。無論、プロセスのなかで、試験や競技がモチベーションや力となることは言えますが、武道は、プロスポーツやエンターテイメントとは違い、教育です。
備考:
弘道館の入学年齢は15歳。入試があり、「論語」や「孝経」などから問題が出題されました。生涯教育を原則とし卒業はなく、40歳以上になると通学は任意とされました。
学問は入学試験がありましたが,武術は無試験ではいれたそうです。
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