ド突き合い スタイル・『拳』から『交渉』へ
理不尽な大人が多いと思った社会人スタート
社会人になって理不尽なことって、たくさんあります。高度経済成長、バブル時代の諸先輩たちが、やられたことを社会の後輩にもやることでした。昔であればあるほど、パワハラなんて日常茶飯事でした。
同じことでも人の感じ方は違います。ただ、空手道場を通じて蓄積した社会性は、理不尽なことに対して「受け流すこと」「議論をすること」ができるようになっていたことです。
意地悪なヤツには「がっつん」って言ってやる
チクチクと言いたがる、相手の欠点を見つけてそれを指摘する、何かをミスすればこれぞとばかりに罵声をあびせてくる。社会人の組織のなかには、弱いくせに弱いものを見つけたら、徹底していじめてやろうとする人っています。
空手道の『押忍』の精神で対応できます。こちらにミスがあれば謝りますし、改善もします。ただ、下郎扱いになって、過剰に意地悪や言葉の攻撃をしてくる方には、「がっつん」って言ってやればいいわけです。そのときは、いい感じでスイッチがはいって、実戦の打撃格闘技をやっていればド突き合いをするような感覚でテンションがあがり、「がっつん」って言ってやるんです。これで、相手がひるんだところで、道理とお互いの落としどころを探るんです。こんなときに、武道格闘技をやっていてよかったと思うシーンは多々あります。ドラマの半沢直樹まではいかないですが、気迫は重要です。
上司にも「がっつん」て言ってやった
私は、外資系の組織で働くことはスマートだと感じました。そのため、今では、日本企業の組織で働くのはつらいと感じるぐらい、実力があれば働きやすいと思っています。一方、外資系の欠点は、個々のエゴが働きやすく、上司に目を付けられると、理不尽さは、日本企業の倍です。
実は、私も上司の生贄になったことがありました。上司は、私に仕事を相談する代理店が増えたことが面白くなくなったようです。情報を自分に集中をして、自分の手柄としたいんだと感じました。その上司のせいで、新人の管理職や海外の副社長など、私はダメなやつとレッテルを張られました。分からないヤツほど、「人の評価だからね」だと慰めにも、アドバイスにもならない悔しい思いをしました。本当に、腹が立ちました。今でも思い出すだけで、腹が立ちます。
上司の意地悪は日にエスカレーションをします。「彼に投資をしない(給与をあげることが投資?)。」とメッセージを送ってきたり、大きな案件をまとめていたら「この件をあなたが責任をとれますか?」と言われたり。
私としては、はっくり「投資をしないとはどういう意味ですか?」「それは、私が責任を取ります」と言ってやりました。バブル時代の人ですから、まさか、そんな言い方でかえってくるとは思わなかったようでした。上司は返答に困っていたことを思い出します。普通、外資系のサラリーマンでも、チクチク言われれば、普通、服従すると思っているんです。サラリーマンですから。
理不尽な仕打ちに立ち向かい、会社から逃げず、辞めるという選択肢をとりませんでした。私のなかでは、その上司がおかしいことが実証されること、私に実力があるということを証明するまで逃げないと決めていました。
理不尽なことと戦いながら、結果、正当に実力を認められ、新しい上司から昇進や年俸をあげるという打診など、オファーを受けました。新天地で、新しいポジションと2倍近い年俸のオファーをもらい、転職を成し遂げました。これぞ、『押忍の精神』です。
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