松濤館流の創始者・船越義珍師範の思いが道場訓にある。
空手は礼にはじまり、礼に終わることを忘るな。
空手に先手なし。
空手は義の輔(たす)け。
先ず自己を知れ、而(に)して他を知れ。
技術より心術。
心は放たん事を要す。
禍(わざわい)は懈怠(けたい)に生ず。
道場のみ空手と思うな。
空手の修業は一生である。
凡ゆるものを空手化せよ、其処に妙味あり。
空手は湯の如し、絶えず熱度を与えざれば元の水に還へる。
勝つ考えはもつな、負けぬ考えは必要。
敵に因って転化せよ。
戦いは虚実の操作如何に在り。
人の手足を剣と思え。
男子門を出づれば百万の敵あり。
構は初心者に、後は自然体。
形は正しく、実戦は別物。
力の強弱、体の伸縮、技の緩急を忘るな。
常に思念工夫せよ。
所感
松濤館流の創始者・船越義珍師範の思いを総合的に説くと、空手修行の心得、時に、心の強さの必要性が伝わります。武道家として、空手家として目指す人は、この思いを心に秘めておくべきです。ただ、若く、血気盛んな時期は、受け入れることができないかもしれませんが、歳をとるにつれて、思いが分かってくると思います。
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