— CHAPTER II ・ 諸流派

松濤館は、
四つの流れに分かれた。

ひとつの源、四つの解。
―― 揚心館本家は、その「実戦の本流」に立つ。

— 空手界の地形図 ・ THE KARATE LANDSCAPE

ひとつの源が、
四つの違う場所へ流れた。

順番ではない。四つは同時に、別の方向へ向かった。
揚心館本家は、その「実戦」の地に立つ。

他流派
揚心館の流れ
船越義珍 ・ Gichin Funakoshi
Gichin Funakoshi ・ 船越義珍
— THE ORIGIN ・ 1868 - 1957
船越義珍
松濤館 ・ 創始者

" 空手に先手なし。"

近代空手の父 ―― 沖縄から本土へ、空手をひとつの武道として体系化した。
その教えはやがて、四つの異なる解釈へと分かれていく。

— ONE STREAM
原点の保存

日本空手道松濤會

―― 戦わない空手。船越の教えそのもの。

船越義珍が貫いた信念は、組手の禁止であった。
打ち合うことを排し、型 ―― すなわち「形」のみによって空手の本質を伝える。

現代において、その教えを最も忠実に維持しているのが、日本空手道松濤會である。
他の松濤館流派が稽古しない原型の型も含み、松濤館空手の原点を学ぶには、ここに学ぶしかない。

この流れの本質
空手を、武道の「形」として残す。
— OUR STREAM ・ 揚心館
実戦の本流

松濤館岡野派 → 自顕会

―― 組手の先駆け、そして実戦空手の体系化へ。

松濤館空手における組手の先駆けとなったのが、岡野友三郎宗家による松濤館岡野派(1942・謙交塾)。船越の教えから初めて独立し、「打ち合う空手」への道を開いた。

その流れを継いだ自顕会(相模ジム・1972)こそ、本流である。
故・長友克三が創設したこの場で、キックボクシング、ムエタイ、極真空手、士道館の試合に積極的に参戦し ―― 松濤館空手を「実戦空手」として体系化していった。

そして日本のキックボクシングそのものの誕生 ―― 野口ボクシングジムがボクシングに足技を導入し、独自の日本打撃格闘技として確立。極真、当流れの松濤館実戦空手、日本拳法 ―― これらが集い、打撃の頂点を目指した時代。空手出身のキックボクサーが多かったのも当然だった。

※ 時代と共に「キックボクシング/ムエタイ」が独立した競技となり、その源流に空手があったことは、いま忘れられつつある。

この流れの本質
空手を、「実戦」として証明する。
―― 揚心館本家は、この本流の継承者である。
— LINEAGE
船越義珍 岡野友三郎(岡野派・1942) 故・長友克三(自顕会・1972) 野﨑誠 首席師範(野崎会館・1982) 揚心館本家(2000)
— ONE STREAM
伝統の二大巨頭

日本空手協会全日本空手道連盟

―― 当てる伝統空手と、競技としての空手。

日本空手協会 — JKA
伝統空手の「実戦」

打ち込みを深いところまで取る。突きを当て、そこで止める ―― という伝統空手の「実戦」を、最も強く体現する。
審判は厳しく、打ち込みのイメージを高く評価する傾向。

全日本空手道連盟 — JKF
空手流派の「集まり」

各流派が集まった連盟。スポーツとしての側面を強める。
審判は緩く、ポイント制で行う。松濤館の連盟・連合会が違っても、同じ試合に出ることがある ―― 垣根はあるようでない。

両者で空手の形に多少の違いがあり、その判断で意見が分かれることもある。

この流れの本質
空手を、伝統と競技の両軸で残す。
— ONE STREAM
世界化とオリンピック

世界空手道連盟

―― スポーツ化の頂点、そして世界の中心へ。

世界空手道連盟(WKF・本部 スペイン)が主体となり、全日本空手道連盟、日本空手協会、その他の連盟・協議会も影響を受けている。
オリンピックを射程に、空手は急速にスポーツへと変貌した。

空手着、試合の帯、ルール、判定 ―― すべてがスポーツ仕様に変わってきている。
昔から日本の空手道を学び、指導をしている人たちは、これに疑問を持たないのだろうか

そのような点では、原点に戻り ――
日本空手道松濤會のような流れこそ、注目されるべきだと考える。

この流れの本質
空手を、世界の競技として広める。
— OUR POSITION ・ 揚心館の立つ場所

私たちは、
「実戦の本流」に立つ。

―― 戦わない原点(松濤會)を尊び、
―― 伝統の二大巨頭(JKA・JKF)に敬意を払い、
―― 世界の競技化(WKF)を否定もしない。

だが、揚心館本家が継ぐのは ――
松濤館岡野派から自顕会へと続いた、ただひとつの「実戦」の流れ

揚心館 五徳紋
— Continue ・ 物語は続く

では、その実体 ――
技術体系とは、何か。

位置づけを知った。では、揚心館流の具体的な技術体系を見ていこう。
柔術・空手・拳法 ―― 三つを統合する、現代の御留流の中身。

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